巣ごもりのおうち
東京都葛飾区 面積:92m² 2005年築(築11年)
(担当:ひだまり設計工房/山本明香)
<リノベーション計画コンセプト>
築約10年のマンションリノベーション。
築浅&専有面積が大きいので、まだキレイ&劣化しておらず十分使えるところもたくさんあるし、
工事面積が増えればその分費用もかさみます。
今回は全面スケルトンにしての全体改修ではなく、
LDK部分の使いづらいところ・長い時間使うところの部分間取り変更と、
一部の設備機器の入れ替えという、部分リノベーションといたしました。
<リノベーション内容詳細>
元々リビングダイニングに面した対面キッチンでしたが、下がり壁がかなり低い位置まで下がっていて、
キッチンに立っていてもダイニングの様子も遮られ、せっかく見晴らしのよいバルコニーからの眺めもあまり見えない。
住まい手のおうちを拝見し、必要な収納量を検討した上で、
既存のキッチンの吊り戸棚は撤去し、下がり壁をググッと上げました。
収納量は減りましたが、視界が抜け、キッチンで作業しながらリビングやダイニングの様子、
さらにはバルコニーから広がる近くの川辺の景色まで一望できる、気持ちの良いキッチンとなりました。
リビングと隣接している和室との間の扉付きの収納は、奥行きが微妙に深く、
全てに開き扉が付いていて使い勝手が良くない感じ。
ユニットバスのサイズを小さくしたことで出来た広めの押入スペースを、
お子さんが秘密基地みたいに遊べる場所にして、その巣ごもりスペースとリビングとの間仕切りに、
一部抜けがある収納棚を造りました。
そして残りの収納スペースは、キッチンに隣接するパントリーとして利用。
くもりガラス(※ガラス風のアクリル板なので、割れの心配ナシです)を入れた引戸にして、
なんとなくモノが入ってる様子が分かりつつ、目隠しできるようにしました。
また小さなお子さんが開けないように、少し高いところにネジ締め錠を付けました。
<まとめ>
全体の間取りまでは替えなくても、家族が集い長い時間過ごすLDKという中心の部分をメインに、手を加える。
住まい手さんの「人に見せるための家ではなく、家族が寛ぐための家にしたい。
それぞれが寛げる場所があり、適切で使いやすい収納があり、さりげなく可愛い。そんな家にしたい。」
という想いがカタチになりました。
住まい手にとって暮らしやすく楽しい空間を、部分リノベーションで実現した事例です。
工事内容
規模:RC造ラーメン構造 地上15階建マンションの12階
面積:92㎡
用途:専用住宅
建築時期:2005年(築11年)
リノベーション工事完成:2016年
室内床・壁・天井:既存のまま
新規造作家具・建具:キッチンカウンター、リビング収納棚、寝台列車風押入れ収納家具&間仕切り本棚、パントリー収納及び建具
リノベーション箇所:キッチン一部(キッチン設備は既存のまま)、和室押入、ユニットバス交換、その他水道設備交換
リノベーション前(写真をクリックすると拡大表示します)