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2016-04-11

巣ごもりのおうち

東京都葛飾区  面積:92m²  2005年築(築11年)
(担当:ひだまり設計工房/山本明香)

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

リビングより、ダイニング・キッチンをのぞむ。
床・壁・天井は、既存のまま。元々の壁の色が黄色味のある濃い目のアイボリー色なので、
それに合うようなシナ(オイル仕上げ)と、お持ちのウォルナット板のちゃぶ台に合わせてカウンター材はウォルナットに。

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

リビングより、ダイニング・和室をのぞむ。
LDKと和室の間は、奥行きが微妙に深い使いづらそうな収納だったので、
間仕切り本棚収納+パントリー収納に造り替えました。

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

間仕切り本棚は、一部背板をあけて、和室側の寝台列車風家具(巣ごもりスペース)と
ふんわり繋がりが感じられる作りに。

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

リビング・ダイニングより、和室をのぞむ
寝台列車風家具の巣ごもりスペースの様子がチラホラと感じられます

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

間仕切り本棚から、巣ごもりスペースをのぞむ

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

和室より、LDKをのぞむ
それぞれの場所に居ながら、お互いの気配を感じられる空間になりました

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

寝台列車風家具の巣ごもりスペース。
ベッド部分の下は、引き出し収納に。上部は敢えて奥行きのある天袋スペース。
軽いけど大きさがある、スーツケースや家電製品の空箱などを入れ込める場所にしました

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

巣ごもりスペースからLDKをのぞむ。

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

巣ごもりスペースからキッチンで作業する様子も見えます

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

ダイニングの様子も見えます

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

ダイニングのペンダント照明は、FUTAGAMIの『星影』。
真鍮のしっとりとした質感が、木の家具と似合います

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

キッチンカウンター材を、既存のものから、ウォルナットの無垢板に交換しました
壊して新しく作りなおしたカウンター下の壁には、ガラスモザイクタイル。
ツヤありとツヤなしが混ざるキラキラした氷砂糖のような雰囲気です

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

低かったキッチン下がり壁をグッと上げたことで、
部屋全体、さらにはバルコニーから広がる景色を気持ちよく見渡せるようになりました

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

間仕切り本棚とパントリー収納部分

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

パントリー収納には米栂の框建具を造りました。
小さなお子さんが勝手に開けちゃわないようにネジ締錠を少し高い位置に付けました

巣ごもりのおうち(東京都葛飾区)

<リノベーション計画コンセプト>
築約10年のマンションリノベーション。
築浅&専有面積が大きいので、まだキレイ&劣化しておらず十分使えるところもたくさんあるし、
工事面積が増えればその分費用もかさみます。
今回は全面スケルトンにしての全体改修ではなく、
LDK部分の使いづらいところ・長い時間使うところの部分間取り変更と、
一部の設備機器の入れ替えという、部分リノベーションといたしました。

<リノベーション内容詳細>
元々リビングダイニングに面した対面キッチンでしたが、下がり壁がかなり低い位置まで下がっていて、
キッチンに立っていてもダイニングの様子も遮られ、せっかく見晴らしのよいバルコニーからの眺めもあまり見えない。
住まい手のおうちを拝見し、必要な収納量を検討した上で、
既存のキッチンの吊り戸棚は撤去し、下がり壁をググッと上げました。
収納量は減りましたが、視界が抜け、キッチンで作業しながらリビングやダイニングの様子、
さらにはバルコニーから広がる近くの川辺の景色まで一望できる、気持ちの良いキッチンとなりました。

リビングと隣接している和室との間の扉付きの収納は、奥行きが微妙に深く、
全てに開き扉が付いていて使い勝手が良くない感じ。
ユニットバスのサイズを小さくしたことで出来た広めの押入スペースを、
お子さんが秘密基地みたいに遊べる場所にして、その巣ごもりスペースとリビングとの間仕切りに、
一部抜けがある収納棚を造りました。
そして残りの収納スペースは、キッチンに隣接するパントリーとして利用。
くもりガラス(※ガラス風のアクリル板なので、割れの心配ナシです)を入れた引戸にして、
なんとなくモノが入ってる様子が分かりつつ、目隠しできるようにしました。
また小さなお子さんが開けないように、少し高いところにネジ締め錠を付けました。

<まとめ>
全体の間取りまでは替えなくても、家族が集い長い時間過ごすLDKという中心の部分をメインに、手を加える。
住まい手さんの「人に見せるための家ではなく、家族が寛ぐための家にしたい。
それぞれが寛げる場所があり、適切で使いやすい収納があり、さりげなく可愛い。そんな家にしたい。」
という想いがカタチになりました。
住まい手にとって暮らしやすく楽しい空間を、部分リノベーションで実現した事例です。

工事内容
規模:RC造ラーメン構造 地上15階建マンションの12階
面積:92㎡
用途:専用住宅
建築時期:2005年(築11年)
リノベーション工事完成:2016年

室内床・壁・天井:既存のまま
新規造作家具・建具:キッチンカウンター、リビング収納棚、寝台列車風押入れ収納家具&間仕切り本棚、パントリー収納及び建具
リノベーション箇所:キッチン一部(キッチン設備は既存のまま)、和室押入、ユニットバス交換、その他水道設備交換

 

リノベーション前(写真をクリックすると拡大表示します)


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