
Q:古いマンションでも冬はあたたかく、夏は涼しく暮らせるようにできますか。
A:マンションでは外壁に面する壁や、最上階であれば天井面、1階であれば床面に断熱処理を行い、外からの暑さや寒さを伝えにくくしたり、室内であたためたり冷やした空気を逃げにくくします。古いマンションではその断熱処理が十分に行われていないことがあります。
例えば最上階の部屋。
夏場は、マンションの屋上に、ジリジリと夏の日差しが突き刺さります。
夏の太陽に暖められた屋上のコンクリートは、その下の階のお部屋に輻射熱として伝わります。
なので夏場は昼間だけじゃなく夜も、なんだか暑いのですよね。
このように、マンションは自分の部屋がマンション全体のどの部分に位置しているかによって温熱環境は違ってきます。
それぞれの建物の状況のあわせて、発泡ウレタンを吹き付けたり、ボード状の断熱材を張り付ける工事をおこなうことで、古いマンションでも高い断熱性能をもつ快適な環境をつくることができます。
また古いマンションの場合は窓ガラスが1枚である場合が多く、ここから冬は熱が逃げていき、夏は熱が入ってきます。
これを解決するために、もとからある窓の内側にもうひとつ窓を取り付けて窓を二重構造とすることで窓の間に空気層をつくり、熱を伝えにくくします。断熱効果が大きく、結露も抑えられます。
古いマンションでもこのような工事を行うことで、冬あたたかく、夏涼しく暮らすことは可能です。

Q:マンションは風通しがよくないイメージがあるのですが、よくすることはできますか。
A:一般的なマンションの間取りではドアや壁で部屋が細かく区切られていることが多いので、窓からいい風が入っても風の通り道をふさいでしまうこともあります。
例えば部屋を区切る間仕切りの壁を低くして、その上に開け閉めできる通風のための窓をつけたり、背丈くらいの高さの家具を部屋の仕切りとして使うことでその上部に風通しのための空間をあけておくこともできます。
それによって風通しだけではなく、奥の部屋や廊下まで明るさを呼び込むことも可能になります。
現代の日本の住まいでは開きドアが使われていることが一般的ですが、それを引戸をにすると開け放しておいても邪魔にならず、風通しをよくすることができるので、引戸をおすすめしています。

Q:床暖房や浴室暖房など、現在ついていない新しい設備をつけることはできますか。
A:マンションでは電気やガスの容量が不足する場合があるので、設置できるかどうかは事前に調査が必要です。浴室暖房は天井の上に機械が入る寸法が確保できるかどうかなどチェックをし、むずかしい場合は壁付式のものを検討することで可能になる場合もあります。
エアコンは温風が上にたまりやすくあたたまりにくいのに比べ、床暖房は足元からおだやかにあたため、輻射熱で部屋全体の温度をあげるので、とても快適です。
ムクのフローリングに使用する場合には、時間とともに板と板の間に隙間ができてしまわないように、よく乾燥した材料を選び、張る時に微妙な調整をしています。