
Q:マンションは風通しがよくないイメージがあるのですが、よくすることはできますか。
A:一般的なマンションの間取りではドアや壁で部屋が細かく区切られていることが多いので、窓からいい風が入っても風の通り道をふさいでしまうこともあります。
例えば部屋を区切る間仕切りの壁を低くして、その上に開け閉めできる通風のための窓をつけたり、背丈くらいの高さの家具を部屋の仕切りとして使うことでその上部に風通しのための空間をあけておくこともできます。
それによって風通しだけではなく、奥の部屋や廊下まで明るさを呼び込むことも可能になります。
現代の日本の住まいでは開きドアが使われていることが一般的ですが、それを引戸をにすると開け放しておいても邪魔にならず、風通しをよくすることができるので、引戸をおすすめしています。

Q:床暖房や浴室暖房など、現在ついていない新しい設備をつけることはできますか。
A:マンションでは電気やガスの容量が不足する場合があるので、設置できるかどうかは事前に調査が必要です。浴室暖房は天井の上に機械が入る寸法が確保できるかどうかなどチェックをし、むずかしい場合は壁付式のものを検討することで可能になる場合もあります。
エアコンは温風が上にたまりやすくあたたまりにくいのに比べ、床暖房は足元からおだやかにあたため、輻射熱で部屋全体の温度をあげるので、とても快適です。
ムクのフローリングに使用する場合には、時間とともに板と板の間に隙間ができてしまわないように、よく乾燥した材料を選び、張る時に微妙な調整をしています。

Q:どんな素材を使うのですか。
A:ワタシクラシのマンションリノベーションでは、できる限り土や紙などの自然素材とムクの木を使っています。
現在多くの家で使われているビニールクロスや合板フローリングは使いません。それらの素材は出来上がった時がいちばんきれいな状態で、時間が経つほどに劣化していく材料ですし、含まれている化学物質が人間の健康に対して問題を引き起こすこともあります。
それに対して自然素材は時間を経て使い込むほどに味わいが増し、ムクの木は色が濃くなり艶が出てきます。木や土や紙は湿度の調整もしてくれます。
そして性能だけではなく、ムクの木は手触り、見た目、香りもとってもいいのです。
永く安心して暮らせる家は、安心安全な自然素材で作りたいと考えています。
Q:マンションでもムクの床材を使うことはできるのですか。
管理規約によりムクフローリングが禁止されていたり、カーペットの床以外は不可という場合はムクのフローリングを使うことはできませんので確認が必要です。
管理規約で遮音等級の決まりがある場合には、それにあわせた床下地の作り方(乾式二重床)をすることで遮音性能を確保し、その上にムクのフローリングを張ることが可能です。

Q:左官の壁にすることはマンションでも可能ですか。どんな種類がありますか。
A:左官(こてを使って塗り上げる仕上げのこと)にはいろいろな種類がありますが、マンションでももちろん使うことが可能です。
漆喰(しっくい)、珪藻土(けいそうど)、火山灰を原料にしたものなど他にもたくさんありますが、選ぶ際には成分に注意することが大切です。
土を固めるために樹脂分が多く含まれている材料もあり、そういったものは雰囲気はいいのですが、左官材料であっても湿気を吸ってくれる性質がほぼないものもあります。
左官ではコテのあとをわざと残すことも、きれいに仕上げることもできます。仕上げ方によって部屋の雰囲気がかわってきますし、色を選ぶこともできます。天井に塗ることも可能です。
仕上がった壁や天井には、人の手がつくりだした味わいや、いい雰囲気が生まれるのでおすすめしています。

Q:リノベーションした部屋にあわせた家具をつくることもできますか。
A:これまで使っていた大切な家具にあわせて新たな家のプランや素材の雰囲気を考えることもできますし、反対に新たな家にあわせて家具をつくることもおこなっています。
オーダーでつくるだけではなく、イスや照明、カーテンなどを選んでインテリア全体のコーディネートをすることも行っています。
例えばダイニングテーブル。
家族みんなで食事の時以外にも使える大きなものがいい場合もありますし、コンパクトな家ではスペースを有効に使えるように円卓にしたり、キッチンとつながったカウンターのようなテーブルをつくることもあります。
ムクの木はそれぞれに木目や色やかたさが違うので、日々の使い方や使う方の好み、床や扉の色との相性などを考えてつくっていることが多いです。ほんの少しの高さの違いや奥行の違いで食卓の雰囲気はグッとかわります。
例えばテレビ台。
イスに座るのか、ソファーに寝ながら見るのか、床にゴロっとしながら見るのかによって見やすいテレビの高さもかわってきますし、最近は機器類のサイズが小さくなってきているので、これまでのものよりも小さくても十分な場合もあります。
そもそもテレビを壁掛けにしてテレビ台をなくし、DVDなどだけ入れる収納棚だけにすることもできます。
こんな風に、それぞれの家や暮らし方にあわせてひとつづつぴったりのものをつくったり選んだりしています。